新サイト開設企画 安藤寛泰インタビュー その1 

hiroyasu-ando.comのオープンを記念して、今回から連載でインタビュー記事を掲載していきます。

 

− まず、最初にトップページの写真に目を奪われたのですが…

 安藤:今回、トップページに使用した赤や黄色のポップなうつわは「splash」というシリーズです。 これまでの『安藤寛泰』や『壽泉窯』※1 は、瑠璃色の結晶釉をイメージカラーとして展開していました。

そういった流れの中であえて今回「splash」を前面に持ってきたのは、瑠璃色のようなシックなもの以外に、ポップなテイストもできることを知って欲しかったからです。
※1 安藤氏の実家の屋号。父親の代に創業した窯元で、安藤氏は2代目当主でもある

− なるほど、そうだったんですね。

 

安藤:僕は学生時代からアートやデザインのことを勉強してきて、ギャラリーや美術館に行くのももちろん好きで、自分の部屋でもアート作品を飾って生活してきました。そういったモノが暮らしの中にあるのは気分が良いし、楽しかったんですね。

そのうち趣味として、発表するわけでもなく、壁に掛ける陶版の作品やオブジェを制作していました。

今改めて食に関係するうつわを作ろうとして、既にあるありきたりなものじゃないものにしたかったんです。アートなうつわを身近にしたくて、でもそれって一体何だろう?と考えた時に、昔自分が作ったオブジェの感覚から何かを引っ張ってきて、それを落とし込んでみたらどうかな?と。『安藤寛泰 × 壽泉窯』って感じで。   

 

− +(プラス)じゃなくて×(カケル)ですね。

 

安藤:そう、×(カケル)なんです。

「splash」は、これまであまり使ってこなかったカラフルな色に、瑠璃色の結晶釉をスパッタリング※2しているので、一見全然違うことをしているように見えるかもしれません。だけど、壽泉窯に昔からあった瑠璃色の結晶釉を使うことで、これまでの伝統と繋がっていて、大事なものはちゃんと受け継いでいるんです。
※2 釉薬を吹きかけるようにして施す技法


それに「瑠璃色の釉薬を生かした新しい見せ方を提案したい」という気持ちもありました。ただ、これを壽泉窯の中でしようとするとちょっと難しいところがあって。ここでなら存分にできるかな?と思っています。

こうして生まれた「splash」はすごくポップで面白く仕上げる事が出来たので、サイトのトップページにはぜひ「splash」を載せたいと考えていました。写真撮影については、フードスタイリストさんやカメラマンさんの力を借りながら進めています。

 

− フードスタイリストも参加しているんですね、なるほど。では次回、そのあたりについてもじっくりと解説していただこうと思います。

(続く)