新サイト開設企画 安藤寛泰インタビュー その2
(「安藤寛泰インタビューその1」 の続きです)
−前回は、これまでに培った技法を大切にしつつ新しい作風にチャレンジする姿勢や、外部ブレーンと協力してサイト作りに取り組んでいる、といったお話が出ました。
フードスタイリストが参加しているということもあって、このサイトには料理が盛り付けられた写真がたくさん使われていますね。これにも何か理由があるのですか?
安藤:うつわって、見て、触れて、楽しむ事ができるものじゃないですか。でも、やっぱりうつわだから、料理を盛り付けて使っていただいて完成するものだと思っています。
服でもそうだけど、誰かが着ている写真があるとすごく分かりやすくなるでしょ?だからこのサイトも、料理を盛り付けて使っている風景を切り取った、見る人がイメージしやすくなるような写真を多用しています。
個展やイベントなどに出展すると、僕は直接お客さまと話しながらうつわの説明をさせてもらうんだけど、「どんな風に使ったらいいの?」と聞かれることがあって。そんな時、料理を盛り付けた状態でテーブルに並んでいる写真があると、より分かりやすくイメージしていただけるんです。
同じようにこのサイトでも、うつわを使う人のお手伝いになれることをしていきたいので、料理が盛り付けられた写真は今後もたくさん使っていきたいです。
−このサイトに掲載した写真が、使う人にとってのガイド役になるという訳ですね、なるほど。
話が少し前後してしまいますが、今回サイトを開設した経緯やきっかけなども教えてもらえますか?
安藤:これまで僕は、自分が作ったものは問屋さんを通じてショップにお届けする形を多くとってきました。でも例えば新しいものを作って、バイヤーさんやギャラリストさんにすぐに見せたくても、現状ではなかなか難しい面があって、タイミングを逃してしまう事もあります。
だけど面白くていいものができたら、やっぱり僕はみなさんに早く見てもらいたい気持ちがすごく強いんです。それができるやり方をここ何年か考えていました。
このサイトを作ったことで、例えば数個しかない新作とか、1品限りの作品なんかも、タイムラグが少ない状態でいろんな人に見てもらうことが可能になると思っています。
− 確かに、インターネットを使えば、物理的にも時間的にも、見てほしい人にすぐに届けることが可能になりますね。
安藤:あと、僕はポップな作風の「splash」以外に、「traditional」シリーズなど雰囲気の違うものも手がけています。だけど、もしかして同じ人が作っているのが分かりにくいのかな?と思っていて。
例えば「splash」と「traditional」が一緒に並んでいても、別の人が作ったものだと思われるかもしれない、と。
だから、僕の作ったものを一つのところに集約させたサイトを作れば、いろんな作風のものを見ても「あ、安藤寛泰のものだ」とすぐに分かってもらえると思ったんです。
さらに販売機能もつけて、欲しい人が簡単に買えるようになったらもっといいかも? と。そうやって完成したのがHiroyasu Ando.comです。
− 安藤さんの作ったものがまとめて見れるようになって、喜んでいる方も多いと思います。
安藤:まだまだ点数も少ないですが、準備ができ次第ラインナップを増やしていきたいと思っています。また、買わなくても楽しめるコンテンツも含めて、面白いサイトになるよう進化させます。
ぜひこれからのHiroyasu Ando.comを楽しみにしてください。